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出雲家庭医療学センター 後期研修プログラム...
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出雲家庭医療学センター
出雲家庭医療学センター
後期研修プログラム Ver.2.0
目次
■はじめに .................................................................................................................................. 1
■研修目標 .................................................................................................................................. 1
■研修期間 .................................................................................................................................. 2
■研修施設 .................................................................................................................................. 2
■研修内容 .................................................................................................................................. 3
■研修評価 .................................................................................................................................. 5
■研修スケジュール .................................................................................................................... 5
■研修プログラム運営体制 ......................................................................................................... 6
■出雲市民病院の概要 ................................................................................................................ 6
■募集要項 .................................................................................................................................. 8
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はじめに
出雲市民病院は、地域住民が健康で安心して住める街づくりを目指し、医療・保健活動に取り組ん
でいます。本プログラムは、そうした活動をさらに発展させるため、人・家族・地域を包括的継続的
にケアする家庭医を養成することを目的としています。
現在、日本では医師不足の問題が顕在化しており、医師の絶対的不足に加え、都市部への医師偏在
による医師の地域間格差が問題となっています。島根県においても例外ではなく、中小病院や中山間
地域の診療所を支える総合的な力量を持った医師の不足はとりわけ深刻です。本プログラムの特徴は、
地域基盤型病院の家庭医養成プログラムとして「病棟も診る家庭医」を育成することです。このよう
な環境で家庭医としてのアイディンティティを確立し、生涯を通して地域で包括的・継続的に診療を
展開してゆける医師を養成することは、地域医療を支える人材確保において大きな意義があると考え
ています。
■研修目標
1.研修アウトカム
⑴日本プライマリ・ケア連合学会認定家庭医療専門医の取得
本プログラムは、日本プライマリ・ケア連合学会認定の
後期研修プログラムです。研修修了後には、同学会認定の家庭医療専門医試験に合格し得る能力
を身につけます。
⑵育てたい2つの医師像
① 都市型診療所で活躍する家庭医
・終末期・急性期を含めたハイレベルな在宅医療が実施できる
・非選択的外来診療を行うとともに、適切に臓器専門医へコンサルトできる
・地域の健康問題に対し、ヘルスプロモーションに関する研究もしくはプロジェクト・ワーク
を実践できる
② 小規模病院の病棟で活躍する家庭医
・複合的問題を抱えた高齢者を包括的にケアし、急性期疾患の治療、在宅調整、ターミナルケ
アも含めた在宅医療のバックアップをすることができる
・臓器別の問題に対し、病院の家庭医としてスタンダードな医療が提供できる
・「病棟も診る家庭医」としてアイディンティティを確立し、独自の取り組みを実践できる
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2.一般目標
⑴急性疾患への対応、慢性疾患の管理、健康増進など、あらゆる健康問題への対応において、生物
医学的問題だけでなく、患者自身の心理的、家族的問題にも十分配慮した診療が提供できる。
⑵非選択的な外来・在宅診療、保健予防活動が継続的にバランスよく行える。診療には行動科学的
アプローチを取り入れたり、地域の医療資源を有効に活用したりすることができる。
⑶地域全体の健康レベル向上を目的とした地域保健予防活動に取り組む。地域のニーズやヘルスケ
アシステムの中で、スタッフや住民らと協同し、科学的なアプローチができる。
⑷コミュニケーション技術をいかし、患者・家族と良好な信頼関係を築くことができる。また、ケ
アにかかわるチームのリーダーとして、その責任と役割を果たすことができる。
⑸生涯学習者として自己決定型学習を実施できる。EBM に基づいた最新の知識を適応するととも
に、自らの診療を振り返り評価し、診療能力の向上に努めることができる。
⑹成人学習理論を理解し、指導医として学習者中心の臨床教育が実施できる。また、プライマリ・
ケアに関する研究の基礎的な知識を身につけ、実際に研究を行う。
3.個別目標
研修過程の中で、一般目標とは別にレジデント自身が Pre-Assessment を行い、レジデント、指導
医の要望や社会的ニーズをもとに知識・技術・態度のそれぞれにおいて設定します。
■研修期間
医師初期臨床研修修了後 3 年間(※4 年コースを検討中)
後期研修終了後にフェローシップコースを用意しています
■研修施設
○出雲市民病院(家庭医療科:必修、整形外科、リハビリテーション科)
○大曲診療所(診療所:必修)
○大田市立病院(内科・小児科:必修)
○島根県立中央病院(救急科:必修)
○松江生協病院(女性診療科)
○松江市立病院(緩和ケア)
○海星病院(精神科)
○斐川生協病院(眼科)
○隠岐広域連合立隠岐病院(産婦人科)
○隠岐広域連合立隠岐島前病院(離島医療) 他
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■研修内容
1)専門研修・領域別研修
1.家庭医療研修(総合診療専門研修Ⅱ)
家庭医療研修は出雲市民病院にて行います。この研修では、臓器別研修ではない急性期・亜急性
期・慢性期にわたる多彩な疾患・健康問題に対応できる知識・技術を習得することを目標とします。
また、家庭医療科外来において、患者中心の医療、家族志向型ケア、包括的継続的な医療を実践し、
維持透析のマネジメントへの関わりや、リハビリ専門医との連携によるリハ医療の学習と実践を行
います。小規模病院の診療では、一般的な医学的ケアに留まらず、患者を取り巻く様々な背景に基
づく多種多様な問題が持ち込まれます。通常のケースカンファレンスに加え、院内外の様々なスタ
ッフや家族を交えたケア・カンファレンスも開催し、これらの問題に対応する能力を養います。
2.診療所研修(総合診療専門研修Ⅰ)
診療所研修は教育診療所である大曲診療所にて行います。非選択的な外来診療、在宅診療、およ
び地域保健活動の研修を行います。コミュニティにより近い診療所での研修は、特に家族志向型プ
ライマリ・ケアを学ぶには格好のフィールドと考え、最低でも 1 年間の継続した研修期間を設定し
ています。さらに当診療所で取り組まれている「診療の質改善」活動への参加を通して、診療所運
営や経営に関する知識や新しいスキルを実践的に学びます。
3.内科研修
内科研修は大田市立病院にて行います。大田市立病院は大田圏域における基幹病院であり、
common disease を中心とした幅広い診療を経験することができます。救急医療からプライマリ・
ケア、退院まで一貫した治療を経験し、研修を通じて知識、技術習得を目指します。
4.小児科研修
小児科研修は大田市立病院にて行います。大田市立病院は大田医療圏における小児医療の基幹病
院であり、小児救急をはじめ、外来・病棟研修を通して、小児に関わる多彩な健康問題に対応でき
る知識・技術を習得します。
5.救急科研修
救急科研修は島根県立中央病院にて行います。24 時間体制の救命救急センターで各種救急患者
に対する診察、検査、初期治療に関する基本的知識と技術を研修します。
6.エレクティブな研修
レジデントのニーズに基づく自由度の高い研修が可能です。研修施設や期間は個別に設定され、
これまでの研修で不十分だった分野やさらに関心が生じた分野を補完します。選択科としては、女
性診療科、整形外科、精神科、リハビリ科があります。他の家庭医療学機関における研修、国際保
健活動への参加も選択可能です。
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2)研修指導
1.継続外来診療
研修期間を通して、ワンディ・バックにより週に 1 日は大曲診療所もしくは出雲市民病院家庭医
療科にて継続的な外来・在宅診療を実施します。
2.家族ケア・カンファレンス
外来スタッフも参加し、患者のケアについて家族的・心理社会的な問題も考慮しながらカンファ
レンスをします。このカンファレンスはレジデントがマネジメントすることを課題としています。
3.家庭医療セミナー
週 1 回、家庭医療セミナーを開催します。セミナーは、家庭医療学の理論的学習と症例からの実
践的学びを結びつけて行います。また、リサーチ・セミナーを実施し、プライマリ・ケアのリサー
チを推進します。
4.プライマリ・ケアに関する研究
プライマリ・ケア領域における学術研究を重視します。研修期間中に研究の基礎的な知識を身に
つけ、実際に研究し、学会発表や論文作成をすることを課題とします。
5.外部アドバイザーの招聘
研修の質を保証するため、家庭医療・医学教育分野の経験豊かな先生方を招聘し、レジデント指
導、研修アドバイスを行います。また、他の研修施設との研修交流により、システムから独立した
メンタリングを行い、レジデントのサポートをします。
6.外来・在宅診療振り返り、ピア・レビュー
診療所外来・在宅診療の振り返りは日々行われ、レジデントの経験した症例について、家庭医療
指導医が患者の評価やケアの方法などをフィードバックします。また、適宜、指導医やレジデント
同士で外来診療を観察し、患者情報の共有、患者ケアの検討はもちろん、集団的に家庭医療の知識・
技術を高め合います。
7.ポートフォリオ事例検討会
家庭医療専門医を取得するには、ポートフォリオにより必要な臨床能力を示すことが求められて
います。毎月開催する事例検討会は、レジデントの事例について、指導医、レジデントらがディス
カッションし、家庭医療学的な視点からの考察も加え、ポートフォリオ作成の支援をします。ポー
トフォリオ作成を通じて家庭医としての思考・行動・人格の育成につなげます。
8.レジデントデイ
月 1 回、レジデントデイを開催します。振り返りでは、研修ログ、セルフアセスメント用紙をも
とにした自己評価、他者からのフィードバックを行います。また、適宜 Significant Event Analysis
(診療の振り返り)やクリニカルジャズを行い、家庭医集団の診療の質向上を図ります。
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■研修評価
研修の節目には、研修委員会にて研修目標の到達度に対する総括的評価を行います。研修委員会に
は看護師やリハビリ技師、ケースワーカー、ケアマネージャーなどの他職種も参加し、多面的な評価
を行います(360°評価)。また,各年次で下記エントリー領域のポートフォリオを作成し提出します。
3 年間の研修終了後、研修目標に達成したと判断された場合、「家庭医療後期研修修了証」が交付さ
れます。
■研修スケジュール
【学会認定 Ver.2.0 年間スケジュール例】
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■研修プログラム運営体制
研修プログラム責任者:高橋 賢史(出雲市民病院内科部長、家庭医療科)
指導医(必修科):小松 泰介(出雲市民病院院長、内科)
高橋 賢史(出雲市民病院内科部長、家庭医療科)
藤原 悠子(大曲診療所所長、家庭医療科)
藤原 和成(大曲診療所、家庭医療科)
山形 真吾(大田市立病院、内科)
楫野 恭久(大田市立病院、小児科)
山森 祐治(島根県立中央病院、救命救急科)
指導医(選択科):大谷 順(雲南市立病院、外科)
真田 英明(出雲市民病院、整形外科)
木佐 俊郎・松原 美和(出雲市民病院、リハビリテーション科)
杉原 弘美(出雲市民病院、放射線科)
西田 朗(海星病院、精神科)
金森 隆(斐川生協病院、透析)
金森美智子(斐川生協病院、眼科)
戸田 稔子(松江生協病院女性診療科責任医、女性診療科)
安部 睦美(松江市立病院、緩和ケア・ペインクリニック科)
加藤 一朗(隠岐病院、産婦人科)
白石 吉彦(隠岐島前病院、内科)
■出雲市民病院の概要
【管 理 者】 出雲市民病院院長 小松 泰介
〒693-0021 島根県出雲市塩冶町 1536-1
TEL:0853-21-2722 FAX:0853-21-8101
【開 設 者】 出雲医療生活協同組合理事長 象谷 幸正
〒693-0021 島根県出雲市塩冶町 1536-1
TEL:0853-21-2735 FAX:0852-25-0622
【交 通】 JR出雲市駅から徒歩 10分
【病 床】 180床
【標榜診療科】 内科、消化器科、循環器科、神経内科、整形外科、外科、眼科、耳鼻咽喉科、
泌尿器科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科
【特 色】
当院は出雲市の中心に位置しており、小回りのきく中小病院の特性を活かして入院診療・外来診療
を展開しています。今後も地域に密着した医療活動を発展させるとともに、他の医療機関との連携を
強め、地域の医療・健康水準の向上に寄与することが大きな役割です。
出雲家庭医療学センターは出雲地域における質の高いプライマリ・ケアの展開を目指し「地域の健
康づくり」をミッションに、家庭医療の実践・教育・研究に取り組んでいます。
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2007年よりスタートした当プログラムは、地域にこだわり生涯にわたってモチベーションを保ちつ
つ包括的・継続的に診療を展開してゆける医師を養成してゆくことを目指しています。当院が家庭医
養成を支えるベースとして機能し、島根の医療に少しでも貢献できればと考えています。
【施設認定等】
◇指定医療機関
・労災保険指定医療機関 ・被爆者一般疾病医療機関 ・結核予防法指定医療機関
・生活保護法指定医療機関 ・更生医療機関(腎臓) ・特定疾病治療研究指定医療機関
・救急指定医療機関 ・特定健診・特定保健指導機関
◇学会認定
・日本プライマリ・ケア連合学会認定後期研修施設
・日本整形外科学会認定施設 ・日本リハビリテーション医学会認定施設
◇施設認定基準
・一般病棟入院基本料 10対 1 ・障害者施設等入院基本料 10対 1
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■募集要項
【応募資格】
医師初期臨床研修修了者または見込者
【募集定員】
2名程度
【応募方法】
下記書類を提出してください。
・後期研修申込書(ICFMホームページ内の後期研修募集要項よりダウンロード可)
・履歴書またはポートフォリオ
・医師免許証(写)
・初期研修修了(見込)証明書
【選考方法】
提出書類、面接試験により審査します。
【選 考 日】
面接試験の日程は追って連絡致します。
【申込み・問合せ先】
出雲家庭医療学センター事務局 足立祐貴
〒693-0021 島根県出雲市塩冶町 1536-1
TEL:0853-21-2722 FAX:0853-21-8101
E-mail:[email protected]
■処遇
〇常勤職員として採用
〇医師給与
基本給(医師手当込) 3年次(後期研修1年次)470,000円 賞与年 2回
手 当 時間外手当、日当直手当、住宅手当、家族手当、通勤手当、病棟主治医手当
その他(呼出手当、年末年始勤務手当、地域活動手当など)
〇健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の適用
〇勤務時間
8:30~17:00 4週 6休制
年次有給休暇 初年度 10日間、夏期休暇 4日、年末年始休暇 4日
〇その他、就業規則を適用
出雲家庭医療学センター
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